近江の名宝保存継承事業
(マザーレイク滋賀応援寄付充当事業)

【修理内容】 滋賀県指定 全長寺本堂 玄関屋根こけら葺修理

・事業目的  近江の先人がつくり、守り伝えてきた名建築や優れた美術工芸品などの文化財を守り、次の世代につなぐため、傷みの激しい文化財などを保存修理する取り組みについて所有者・管理団体に対して補助を行う。
・事業の効果  風雨などにより腐朽破損している建造物の屋根や坊津贈答美術工芸品の劣化に対して早く手当てすることで、本来の文化財価値を取り戻すことにより、滋賀の魅力ある文化財を未来に向けて継承するとともに県内外の人々に発信することができる。

【建造物の概要】

・名    称 全長寺 本堂
・指定年月日 昭和62年3月30日
・構造形式

桁行(けたゆき)20.3メートル、梁間(はりま)16.9メートル、
一重(いちじゅう)、入母屋造(いりもやづくり)、茅葺型鉄板葺(元茅葺)、玄関・位牌堂付
 附 棟札 1枚
    寛政元星舎己酉上梁の記がある

・建立年代 江戸時代 寛政元年(1789年)
・建物の特徴  本堂は方丈(ほうじょう)形仏堂で、通常の六間取り平面に二室を加えて八間取りにした規模の大きな建物である。建物は東面し、正面北端に一間の向唐破風(むかいからはふ)の玄関をつけ、仏間背後の軒下に位牌堂を張り出す。濡縁(ぬれえん)は南側面のみに設ける。側は角柱(かくばしら)、各柱間毎に建て、間柱を含めて各柱上には絵様肘木を備える。軒は一軒(ひとのき)の半繁垂木(はんしげだるき)とし、屋根は入母屋造、茅葺形鉄板葺(元茅葺)。
広縁(ひろえん)と露地土間の細長く天井の高い空間は、この建物のひとつの見せ場に造られている。
屋根は、湖北地方特有の勾配の強い高い屋根形態を示す。
大工棟梁は地元に近い高月の平井彦左衛門の手による。
建物は後世改造部分も少なく、18世紀末の曹洞宗大型本堂の発展した形態を示し、庫裡と合わせて重要である。

【事業計画】

工事内容 年 月 日 備考
     
工事着手 平成23年10月 3日  
軒足場仮設開始 平成23年10月 3日  
軒足場仮設完了 平成23年10月 4日  
こけら葺解体開始 平成23年10月 6日  
こけら葺解体完了 平成23年10月 7日  
野地補修開始 平成23年10月11日  
野地補修完了 平成23年10月13日  
上軒付施工開始 平成23年10月15日  
上軒付施工完了 平成23年10月25日  
平葺(こけら葺)開始  平成23年10月27日   
  見学会 平成23年11月 4日 午前10時より
平葺(こけら葺)完了 平成23年11月19日  
棟仕舞い開始 平成23年11月21日  
棟仕舞い完了 平成23年11月26日  
足場解体開始 平成23年11月28日  
足場解体完了 平成23年11月29日  
後片付け・清掃 平成23年11月30日  
工事完了 平成23年11月30日